「変わる美容業界」空き店舗をシェアサロンに~開業したのはビルメンテナンス業の会社

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美容業界で働き方の多様化が進んでいます。新型コロナの影響で、空き店舗が増え続けていますが、空き店舗を抱えるビルのオーナーと店を構えたい美容師たちを、ビルメンテナンス業の会社が結びつけて新しい取り組みが始まっています。

◆ビルメンテナンス業の会社が開業
先月、北九州市小倉北区京町のアーケード街にオープンした新しいタイプのシェアサロンです。一般的なシェアサロンでは、美容師自身が受け付けや掃除などすべての業務を行うのに対し、ここでは、美容以外の業務はサロン側が担当するなど、美容師にとってより働きやすい環境が整えられています。開業したのは、ビルメンテナンス業を営む会社です。

◆空きテナントの活用策
シェアサロンを経営「オーオカ」大岡久晃代表取締役「これまで空きテナント数というのはそれなりにあったんですが、コロナになってからすごく増えて、その空きテナントを何か活用出来ないかという相談がかなり舞い込んできまして」

北九州市によりますと、小倉北区の商店街では新型コロナが流行する前と比べて、空き店舗の数が1.4倍に増えたということです。130坪あるこの場所も以前は、中華料理店でした。閉店後は空き店舗となり、ビルのオーナーは月に100万円以上の損失をかかえていました。

◆「働き方の多様化」進む美容業界
この空き店舗を上手く活用できないか、目をつけたのが働き方の多様化を進める美容師の業界です。

美容師 吉田扶弥さん「私の周りの専門学校の友達とかも、美容師を続けたくても家庭との両立が難しくてできないという子もいるし、拘束時間が長い仕事ではあるので、続けていくのが難しくなる人が多いのかなとは思います」

先月まで、北九州市の美容院で働いていた吉田扶弥さん。朝9時から夜の11時まで、一日約14時間の拘束が当たり前でした。今年5月に結婚した吉田さんは、家庭と両立しながら美容師として働くことができるシェアサロンに魅力を感じています。

美容師 吉田扶弥さん「今後、自分がもし子供ができたらとか出産したらとか、そういったときに時間の調整が利きやすいとか、万が一の時に子供をちょっと連れて来ることができるという形は魅力かなと思います」

◆初期コスト減少のメリット
また、自分の店舗を持ちたいという美容師は多いものの、店を構えるには多額の初期費用が必要です。シェアサロンであれば、ブースを借りてアレンジするだけで自分の色を出すこともできます。

美容師 桐川陽平さん「自分でサロンを開くとなると、いろいろ初期費用とか初期投資が大変なんですけれど、こっちのほうが来てくださる方もゆっくりできるだろうし、お子さん連れでも気軽に来ることができるかなと思って」

◆地域活性化のヒントに
シェアサロンを経営「オーオカ」大岡久晃代表取締役「なかなか一つの会社、組織に勤めていたら味わえないようなライバルであり、同じ悩みをもつ同士でありと。話して学んだり悩みに乗ったりというような場所になっていって、そこから旅立っていくっていう人たちがたくさん出てくれたら嬉しいなと思います」

空き店舗の解消と多様な働き方を進める美容師業界、お互いの需要が上手くマッチしたこの取り組みは、地域活性化を考える上で大きなヒントとなりそうです。

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